優しい彼の裏の顔は、、、。【完】
 流石に無理かと思っていた詩歌に何かを思い出した太陽は、

「あ、マンションへ向かう途中に二十四時間営業のディスカウントストアがあったな。そこへ寄っていこうか?」
「はい、お願いします」

 詩歌はあるものを揃えるべく、太陽にお願いしてディスカウントストアへ寄ってもらう事になった。

 そこで太陽にもら手伝って貰って必要な物を一式全て買い揃え、帰路に着く。

 そして、マンションに着いた詩歌は少し眠気を感じたもののシャワーを浴びて強制的に目を覚ますと、買ってき調理器具を駆使して料理を始めたのだ。

 作る物は朝食に食べられるよう味噌汁や卵焼き、作り置きしておけるひじきの煮物で、詩歌は手際良く調理を進めていく。

 これは普段から外食やお弁当しか食べない郁斗を心配した詩歌の優しさでもあり、冷たい態度で接して喝を入れてくれた彼への感謝の気持ちでもあるのだ。

 詩歌は郁斗があのような態度で自分を指名した意味を理解した。

 そして詩歌の読み通り郁斗はキャストたちからの印象が良くない事を心配し、敢えて冷たく振る舞い、それでもめげずに一生懸命接客をする姿を周りに見せつける事がそもそもの目的だったのだ。
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