優しい彼の裏の顔は、、、。【完】
「それとな、俺の方でも花房や四条について色々調べてみたんだが、花房は苑流のボスと黛組の頭の三人で結託して売春斡旋してやがる。女は花房の会社の社員って事になってるが、苑流のボスが女の弱み握って逆らえない状況に持っていき、黛組に送られてそこから流されてる」
「化粧品会社なだけあって、社員に女が多いから好都合ってか。胸糞悪ぃ奴らだな」
「ああ。それで四条のとこは製薬会社だが裏で媚薬やら怪しげな薬を作ってるらしくてな、それを試すのに女が必要だ。そこで、それを知った花房がデータを取るのに丁度いい女が沢山いるという話を持ち掛けた」
「そこから二人は繋がったのか」
「らしいな。それと同時期に、四条は父親からそろそろ結婚を考えるよう言われていた。そんな時、詩歌(花房の娘)に会って容姿が良い事や純粋そうなところが色々と使えそうだと思ったんだろうな。大手企業同士に繋がりが生まれれば、やり方次第で利益も倍になるから結婚が利益しかないと考えての事だろう」
「詩歌を選んだ動機が不純過ぎる。ますます奴らに渡す訳にはいかねぇな。それどころか、連れ戻されれば逃げた罰として酷い目に遭うのが目に見えてる」

 恭輔の話を聞いた郁斗は花房と四条の行いを知れば知る程苛立ちを募らせ、いつになく冷静さを無くして怒りを(あらわ)にしていた。
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