優しい彼の裏の顔は、、、。【完】
それと時同じくして、郁斗は樹奈を事務所へ呼び出していた。
「ねぇ、どうしていきなりそんな事言うの? 昨日約束してくれたじゃない!」
そこで郁斗から今日の約束をキャンセルしたいと言われ、樹奈は激怒していた。
「悪いけど、どうしても都合がつかないんだよ」
「何それ? お店に来たと思ったら詩歌ちゃんを呼ぶし、樹奈の扱い酷くない? 」
「本当にごめん、また今度埋め合わせするから」
「そう言ってもう何度も待たされてるんだけど? そんな気が無いなら初めから言わないで! もういい!」
「樹奈!」
郁斗の話に納得出来なかった樹奈は帰るつもりのようで更衣室へと入ってしまう。
「……はあ……」
郁斗自身悪い事をしたという自覚はあるものの、こういう事は他のキャストとも何度かあったので、そこまで深く気にしてはいなかった。
そんな中、
「郁斗さん」
「ん? どうした太陽」
「それが、詩歌ちゃんが桐谷様と何やらトラブルがあったみたいで……」
「トラブル?」
「詳しくは分からないんですけど、ボーイの話によると――」
先程の詩歌たちの出来事を太陽が郁斗に話をしていると、着替えを終えた樹奈が事務所を通りがかり、二人の話を聞いてしまう。
すると、バッグから一枚の名刺を取り出した樹奈はそのまま黙って店を出るとすぐに誰かに電話を掛けた。
「――もしもし」
「あ、大和さん? ねぇ、今から会えません? さっき言い忘れていた事があるから、もう少しお話したいんです」
相手は大和で、あろう事か樹奈は個人的に指名客でもない相手と連絡を取ってしまったのだ。
「ねぇ、どうしていきなりそんな事言うの? 昨日約束してくれたじゃない!」
そこで郁斗から今日の約束をキャンセルしたいと言われ、樹奈は激怒していた。
「悪いけど、どうしても都合がつかないんだよ」
「何それ? お店に来たと思ったら詩歌ちゃんを呼ぶし、樹奈の扱い酷くない? 」
「本当にごめん、また今度埋め合わせするから」
「そう言ってもう何度も待たされてるんだけど? そんな気が無いなら初めから言わないで! もういい!」
「樹奈!」
郁斗の話に納得出来なかった樹奈は帰るつもりのようで更衣室へと入ってしまう。
「……はあ……」
郁斗自身悪い事をしたという自覚はあるものの、こういう事は他のキャストとも何度かあったので、そこまで深く気にしてはいなかった。
そんな中、
「郁斗さん」
「ん? どうした太陽」
「それが、詩歌ちゃんが桐谷様と何やらトラブルがあったみたいで……」
「トラブル?」
「詳しくは分からないんですけど、ボーイの話によると――」
先程の詩歌たちの出来事を太陽が郁斗に話をしていると、着替えを終えた樹奈が事務所を通りがかり、二人の話を聞いてしまう。
すると、バッグから一枚の名刺を取り出した樹奈はそのまま黙って店を出るとすぐに誰かに電話を掛けた。
「――もしもし」
「あ、大和さん? ねぇ、今から会えません? さっき言い忘れていた事があるから、もう少しお話したいんです」
相手は大和で、あろう事か樹奈は個人的に指名客でもない相手と連絡を取ってしまったのだ。