優しい彼の裏の顔は、、、。【完】
車で四、五十分程かけてやって来たのは市外の商業施設ビルが建ち並ぶ一角で、辿り着いたのはとある五階建てのビルの前だった。
「ここ、ですか?」
「そうだよ。さ、行こうか」
「はい」
そのビルは周りのビルに比べると少し年季が入っていて、あまり綺麗とは言い難い。
各階にテナントが入っていて、営業時間中であれば、不気味とは思わないのだろうけれど、流石に深夜とあってどのテナントもやってはおらず、全ての階に明かりは付いていないので、誘導灯の明かりが微かに見える。
中へ入ると電球が切れているのか、電気が付かず、玄関入口からエレベーター前までの廊下は誘導灯の明かりだけが灯っていて何だか凄く不気味に感じてしまい、詩歌は一人だったら絶対に歩けないと思っていた。
「大丈夫? 足元気を付けてね」
「すみません、ありがとうございます」
郁斗が手を差し出してくれたので詩歌はその手を取ると、ゆっくり一歩ずつ歩みを進めて行き、エレベーター前まで来た彼女は改めて気付く。
外から見た限り、どの階にも明かりは付いていなかった事に。
「ここ、ですか?」
「そうだよ。さ、行こうか」
「はい」
そのビルは周りのビルに比べると少し年季が入っていて、あまり綺麗とは言い難い。
各階にテナントが入っていて、営業時間中であれば、不気味とは思わないのだろうけれど、流石に深夜とあってどのテナントもやってはおらず、全ての階に明かりは付いていないので、誘導灯の明かりが微かに見える。
中へ入ると電球が切れているのか、電気が付かず、玄関入口からエレベーター前までの廊下は誘導灯の明かりだけが灯っていて何だか凄く不気味に感じてしまい、詩歌は一人だったら絶対に歩けないと思っていた。
「大丈夫? 足元気を付けてね」
「すみません、ありがとうございます」
郁斗が手を差し出してくれたので詩歌はその手を取ると、ゆっくり一歩ずつ歩みを進めて行き、エレベーター前まで来た彼女は改めて気付く。
外から見た限り、どの階にも明かりは付いていなかった事に。