ミステリアスな王太子は 花嫁候補の剣士令嬢を甘く攻め落とす【コルティア国物語Vol.1】
「ええ?アンジェの妹君が来てたの?どうして紹介してくれなかったのさ」
その日のディナーで、アンドレアが咎めるように身を乗り出すと、フィルは即座に横目で睨んだ。
「紹介する訳ないだろ?お前、手を出す気満々じゃないか」
「それはそうだろ?だってアンジェの妹だぞ?可愛いだろうなあ」
宙を見ながらニヤニヤするアンドレアに、クリスティーナが慌てて口を開く。
「リリアンはまだ十四なのよ?」
「リリアンって名なの?可愛いね。十四か…。純真無垢で可憐な乙女なんだろうな。だからアンジェも夕べのディナーはここに来なかったんだ。あーあ、知ってたら俺もアンジェの部屋にお邪魔したのにな」
次は絶対に紹介してよ?と言うアンドレアに、絶対にするもんか!と横からフィルが声を荒らげる。
そんな二人を見ていたクリスティーナは、ん?と二人を見比べて首をひねった。
「ねえ、フィル。あなた髪の色、変えた?」
「は?どうしたの、急に」
「うん。なんだかいつもと違う気がして。前は黒髪じゃなかった?今はなんだか少し群青色っぽい感じがする」
「ああ、そうか。忘れてた。アンドレアが俺の替え玉になる時に黒く染めたんだよ。本当は青みがかってるんだ。それに長さももっと短くしてた」
「そうなの?じゃあ、少しずつ元の髪の色に戻ってるのね。へえ、本来のフィルはどんな感じなのかしら」
「おっ、そんなに俺に興味ある?結婚の儀を執り行う時は元の姿に戻ってると思うよ」
「そうなんだ。それっていつ?」
「君次第かなあ」
はい?とクリスティーナが聞き返すと、アンドレアがニヤリと笑う。
「おい、フィル。これはまだまだ俺にもチャンスがあるぞ」
「うるさい!」
「お?焦ってるな。今が狙い目か?」
「…アンドレア。命が惜しくば大人しくしろ」
「ひえー、脅しですか?王太子殿」
「うるさいったら、うるさい!」
いつもの二人のやり取りに、どうして毎回こうなるの?とクリスティーナはため息をついた。
その日のディナーで、アンドレアが咎めるように身を乗り出すと、フィルは即座に横目で睨んだ。
「紹介する訳ないだろ?お前、手を出す気満々じゃないか」
「それはそうだろ?だってアンジェの妹だぞ?可愛いだろうなあ」
宙を見ながらニヤニヤするアンドレアに、クリスティーナが慌てて口を開く。
「リリアンはまだ十四なのよ?」
「リリアンって名なの?可愛いね。十四か…。純真無垢で可憐な乙女なんだろうな。だからアンジェも夕べのディナーはここに来なかったんだ。あーあ、知ってたら俺もアンジェの部屋にお邪魔したのにな」
次は絶対に紹介してよ?と言うアンドレアに、絶対にするもんか!と横からフィルが声を荒らげる。
そんな二人を見ていたクリスティーナは、ん?と二人を見比べて首をひねった。
「ねえ、フィル。あなた髪の色、変えた?」
「は?どうしたの、急に」
「うん。なんだかいつもと違う気がして。前は黒髪じゃなかった?今はなんだか少し群青色っぽい感じがする」
「ああ、そうか。忘れてた。アンドレアが俺の替え玉になる時に黒く染めたんだよ。本当は青みがかってるんだ。それに長さももっと短くしてた」
「そうなの?じゃあ、少しずつ元の髪の色に戻ってるのね。へえ、本来のフィルはどんな感じなのかしら」
「おっ、そんなに俺に興味ある?結婚の儀を執り行う時は元の姿に戻ってると思うよ」
「そうなんだ。それっていつ?」
「君次第かなあ」
はい?とクリスティーナが聞き返すと、アンドレアがニヤリと笑う。
「おい、フィル。これはまだまだ俺にもチャンスがあるぞ」
「うるさい!」
「お?焦ってるな。今が狙い目か?」
「…アンドレア。命が惜しくば大人しくしろ」
「ひえー、脅しですか?王太子殿」
「うるさいったら、うるさい!」
いつもの二人のやり取りに、どうして毎回こうなるの?とクリスティーナはため息をついた。