ミステリアスな王太子は 花嫁候補の剣士令嬢を甘く攻め落とす【コルティア国物語Vol.1】
この国と二人の未来に
「お姉様、本当に綺麗!」
「ありがとう、リリアン」
国民の暮らしがだんだんと落ち着き、国の政策により貧しい人達にも食べ物が行き渡るようになった頃。
コルティア国王太子の結婚の儀が、大聖堂で執り行われることになった。
胸元に王家の紋章が刺繍された純白のウェディングドレスをまとったクリスティーナと、短く切り揃えた群青色の髪にロイヤルブルーの正装姿のフィルは、互いの家族に見守られて将来を誓い合う。
盛大なパレードや祝賀パーティーは催さず、王宮のバルコニーから集まった国民に挨拶をするだけに留めた。
この国が真に平和で誰もが安心した暮らしを送れるその日まで。
王太子フィリックス=アーサーと、その妃クリスティーナ=アンジェは、手を取り合って尽力すると皆に誓う。
全ては国民の為、そして二人の未来の為に。
「おめでとうございます!フィリックス様、クリスティーナ様」
笑顔で祝福してくれる国民に、二人は微笑みながら手を振って応える。
「ねえ、クリスティーナ」
「はい」
「今夜から早速、国の政策に取り組みたいのだけどいい?」
「ええ、もちろん。どんな政策?」
「世継ぎ問題」
…は?と、クリスティーナは真顔になってフィルを見上げる。
「なあに?それ」
「近年、王族には男子一人しか生まれていないんだ。俺も父も祖父もひとりっ子。だから俺は、男の子も女の子もたくさん欲しいんだ。このコルティア国がますます繁栄していって欲しいと俺は願っている」
「そうね。賑やかで明るくて、心豊かな人達が溢れる国になればいいわね」
「だろ?じゃあ、早速今夜から子作りに取り組もう」
「子作り?!って…」
目を丸くするクリスティーナに、フィルは不意にキスをする。
「ちょっと、みんな見てるのに!」
「油断は禁物、だぞ?」
クスッとフィルが笑う。
わあ!と歓声が大きくなる中、フィルはもう一度クリスティーナに優しくキスをする。
国民は二人のロイヤルキスにうっとりと酔いしれ、惜しみなく喜びと祝福の声を上げた。
きっと近い将来、二人の可愛い子ども達が生まれてくるだろう。
そしてこの国に暮らす人々は、誰もが幸せになれるだろう。
フィルとクリスティーナのまばゆい姿に、皆は明るい未来を感じていつまでも歓喜の声を上げ続けていた。
Fin.
「ありがとう、リリアン」
国民の暮らしがだんだんと落ち着き、国の政策により貧しい人達にも食べ物が行き渡るようになった頃。
コルティア国王太子の結婚の儀が、大聖堂で執り行われることになった。
胸元に王家の紋章が刺繍された純白のウェディングドレスをまとったクリスティーナと、短く切り揃えた群青色の髪にロイヤルブルーの正装姿のフィルは、互いの家族に見守られて将来を誓い合う。
盛大なパレードや祝賀パーティーは催さず、王宮のバルコニーから集まった国民に挨拶をするだけに留めた。
この国が真に平和で誰もが安心した暮らしを送れるその日まで。
王太子フィリックス=アーサーと、その妃クリスティーナ=アンジェは、手を取り合って尽力すると皆に誓う。
全ては国民の為、そして二人の未来の為に。
「おめでとうございます!フィリックス様、クリスティーナ様」
笑顔で祝福してくれる国民に、二人は微笑みながら手を振って応える。
「ねえ、クリスティーナ」
「はい」
「今夜から早速、国の政策に取り組みたいのだけどいい?」
「ええ、もちろん。どんな政策?」
「世継ぎ問題」
…は?と、クリスティーナは真顔になってフィルを見上げる。
「なあに?それ」
「近年、王族には男子一人しか生まれていないんだ。俺も父も祖父もひとりっ子。だから俺は、男の子も女の子もたくさん欲しいんだ。このコルティア国がますます繁栄していって欲しいと俺は願っている」
「そうね。賑やかで明るくて、心豊かな人達が溢れる国になればいいわね」
「だろ?じゃあ、早速今夜から子作りに取り組もう」
「子作り?!って…」
目を丸くするクリスティーナに、フィルは不意にキスをする。
「ちょっと、みんな見てるのに!」
「油断は禁物、だぞ?」
クスッとフィルが笑う。
わあ!と歓声が大きくなる中、フィルはもう一度クリスティーナに優しくキスをする。
国民は二人のロイヤルキスにうっとりと酔いしれ、惜しみなく喜びと祝福の声を上げた。
きっと近い将来、二人の可愛い子ども達が生まれてくるだろう。
そしてこの国に暮らす人々は、誰もが幸せになれるだろう。
フィルとクリスティーナのまばゆい姿に、皆は明るい未来を感じていつまでも歓喜の声を上げ続けていた。
Fin.