踏み込んだなら、最後。
もっとこっちに来て、もっと近づいて。
触れたい、シロちゃんに触りたい。
伸ばした腕がパシッと取られて、期待していたことは期待どおりに。
「ッ、…んん……っ」
なにをそんなに焦っているの。
なにをそんなに怯えているの。
まるでそう言ってしまいたくなる、生き急ぐようなキス。
合わさった隙間から漏れる息が呼吸を求めるたびに、そこさえも埋めてくるように重ねては角度を何度も変えてを繰り返す。
「はあ…っ、……あ…、ンっ…!」
くるしい。
すごく苦しいけど、やめて欲しくない。
「っ…は、」
熱く深い吐息を聞かせて、病人を労る素振りすらない激しさで。
きみは僕のもの。
きみは僕だけのもの。
だれにも渡さない。
あいつに渡すくらいなら最低と言われようが奪うよ、もう───、
言葉の代わりに激しく奪われたファーストキスが、何度も何度も言ってくる。
あふれ出した想いが、面白いほど止まらない。