踏み込んだなら、最後。
千石くんの私服は想像していたとおり爽やかでありつつも、アクセサリーが所々目立つ。
キラリと放った輝きが高校生の所持金では買えるものじゃないんじゃないかって、なんとなく探ってしまう。
(アクセサリーなんて考えてもなかったな…)
そもそもあまり持ってもいない。
せめて持っているものといえば、妹たちが作って誕生日に渡してくれたビーズのブレスレット程度。
でも、メイク頑張ったんだ。
服もお姉ちゃんたちからのお下がりだけれど、中高生に人気なブランドものだって。
靴とバッグは色を揃えたほうがいいとか、ヘアアレンジだってみんなのアドバイスを参考にしてやってみたの。
………なにも褒めてくれないんだね。
(シロちゃんだったらなんて言ってくれたかな…)
わりとサラッと言えてしまう人だったから、可愛いよって素直に言ってくれるのかな。
それともたまに素直じゃないときもあったし、案外照れちゃったりして…。