踏み込んだなら、最後。
「これだと値段的にもお得だし、いっぱい入ってますよ」
「うん、そうだね。これにしようかな」
「あ、このキーホルダー可愛いから子供たちに買っていってあげれば。…そこまで高くもないので」
「わあ、光るクラゲだって。みんな光るもの好きだからいいかも」
どれが本当の千石くんなのか、わからない。
やっぱり優しくて、思いやりがあって、一緒にお土産ショップを回った時間は楽しいものだった。
「じゃあ買ってくるから、このあたりで待っててもらってもいいかな…?」
「いや、俺も一緒に行きます。俺もそのお土産、半分お金出してもいいですか…?」
「えっ、でも…」
「俺からみんなへのお土産でもあるっていうか…」
「…ありがとう千石くん」
ごめんね。
さっきまで思ってたことぜんぶ、訂正する。
自分の彼氏を疑うなんかぜったいしちゃいけないし、私は千石くんのこういうところが良いなって思ったんだ。