踏み込んだなら、最後。




「俺たちの組織にとっても汐華さんを離すわけにはいかないんだよ」


「……そしき…?」


「ああ、そこに関しては詳しく話せないんだけど。…まさか驚いた、あの“ひまわり園”と関係してくれてただなんて」



意味がわからない。

ひまわり園に何かがあるとは思えないし、最初から私を狙っていたわけじゃなくて。


この人はたまたま私に興味を持って、暇つぶし程度に少し探ってみたら大発見をしてしまった、という顔をしていた。



「ひまわり園がどこの支援のもとに成り立ってる施設か、知ってる?」


「…………、」


「知らないんだ。俺の目的は正直いえばそっち」



なぜか、絃お姉ちゃんの旦那さんが頭のなかに浮かんだ。

私が游黒街に行ってしまった日、彼は「最終的には俺が出る」と言っていた。


大きな力を持っていること、それだけは知っている。


とある一派の先頭に立つ人間だとは、知っている。



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