踏み込んだなら、最後。




「なら……、あそこに行くのはもうやめて…」



それは、このあたりで恐れられている組織なのだと。

いくつか散らばったグループのなかでも0というグループは、一目置かれていると。


游黒街とも関わりを持っているというのが大きな理由。


私があの日見たメンバーが主要人物だと思ったら大間違い。

上にはまだ上がいて、そこにいるのがどんな人間なのかを知っているのは、あのなかでは千石くんくらいだって。



「別れない…から。だから普通に戻って、千石くん」



千石くんにとっては大切な仲間なのかもしれない。

けど、あの人たちは私がお弁当を作ったとしても「うれしい」よりも「おもしろい」を先に言うんだ。


嬉しいって感じてくれた千石くんを、私は信じたい。



「ふっ、くっ、はははっ!」


「…なにが面白いの、」



大笑いしてから耳元、唇を寄せた千石くんは言ってくる。



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