踏み込んだなら、最後。
夢幻泡影
「エプロンしましたか?」
「「はいっ!」」
「手はしっかり洗いましたか?」
「「はいっ!!」」
「仲良くちからを合わせて作ること、約束できますか?」
「「はーいっ!!」」
キッチンに立つ私が指揮をとると、かわいい返事がつづいて聞こえてくる。
踏み台に乗りながら手をピシッと上げる、保育園組のリトくんとナナミちゃん。
「じゃあこれから美味しいカレーを作ろう!」
「「つくろう!!」」
これは夏休み後半の恒例イベントみたいなものだった。
カレーはひまわり園の恒例メニュー。
それを作るメンバーに、今年は私たちが選ばれたのだ。
「お、始まった。今年はどんなカレーが食べられるのか楽しみね~」
「ぜったいおいしーよ!だってオレがつくるんだもん!」
「わたしも!」
「由季葉ちゃんも料理上手なことだし、今年はいろんな意味で安心かな~」