踏み込んだなら、最後。
そうだ、去年はシロちゃんだったんだよね…。
今となっては良い思い出だとも言えるけれど、かなりの大惨事だった。
シロちゃんは料理が苦手な上にあまり説明書とかも読まないタイプ。
そのときも雰囲気でなんとかなる精神で作った結果、なぜか終盤に大量の水を追加させる&水溶き片栗粉を入れるという奇行に走って、味も薄くて変なとろみがついたカレーの完成。
『これ、スープカレーだから』
とか言って失敗を認めなかったから、かなり佳祐お兄ちゃんと論争を繰り広げていたっけ。
「ユキおねーちゃん?」
「っ!あっ、よしっ、じゃあ作ろっか!ふたりは玉ねぎの皮を向いてくださーい」
「「はーい!」」
「お前らー、これ装着するとスゲーぞ」
ちょっかいを出しにきた中学生男子が、リトくんとナナミちゃんにゴーグルを取り付けにくる。
玉ねぎが目に滲みないようにするためなんだろうけど、そこでも違う意味で盛り上がっては毎年こんな感じだ。