踏み込んだなら、最後。




するとシロちゃんは違う方法を使って私を悦ばせようとしてきた。



「…わかる?僕はきみに欲情してんだよ」


「っ…!」



ああもう、そんなこと言われたら。

好きにしていいよって、私のぜんぶはシロちゃんのものだよって言いたくなる。


ゾクゾク、じんじん。

そんなお腹の奥から込み上げてくるものがたぶん、興奮ってやつ。



「よく男は女なら誰だとしても、それは生理現象だからって言うけど。…違うから僕は」



私だから。

ユキちゃんだからこうなってんだよ───と、あたまのなかで都合のいい変換をした。



「さわっていい?…きみのハジメテの場所」


「…っ、う、ん」



一生懸命うなずいた私の髪を一撫で。

ちゅっと小鳥同士がついばむようなキスを落としてから、誰にも触られたことがない場所へとシロちゃんの手は伸びてくる。


自分でも触ったこと、ないのに……。


なにかが溢れて、とめどなく溢れて、じわっと目尻にも浮かんだ。



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