踏み込んだなら、最後。
「う…ぁ…、耳とっ、りょうほう、」
「…ん、どしたの」
「それっ、だめ……っ」
ダメと言うほど甘さに激しさがどんどん乗っかってゆく。
触られるとこ触られるとこが熱くてたまらなくて、身体から脳内をどろどろに溶かしてくるイジワルな手と舌。
こんなこと、初めてだ。
ガッカリしていないかな。
想像してたよりって、幻滅していないかな。
素肌ではないギリギリのもどかしさのなか、シロちゃんの熱すぎる男の子の体温で直に触られたみたいだった。
「ふるえないで。きみはずっと僕のことだけ考えていればいい」
だったらキスをして。
それなら手をつないで、抱きしめて。
いっこも言葉にできないのに、ぜんぶがシロちゃんに伝わってその通りにしてくれる。
「しろちゃんっ、シロちゃんどうしよう…」
私のか細い声だけが響く。
あとは恥ずかしくなる音と、はあっと全神経を無意味にさせてくる吐息。
どうしよう、どうしよう。
何度も繰り返す私に、「どうしたの」と言わない代わりのキスが落とされた。