踏み込んだなら、最後。
友達の家に泊まってきたと思っている家族たちは、帰った翌日もとくに探ることをしてこなかった。
年頃だもんね、と、唯一それだけを保母さんに言われたくらい。
夏休みが終わって、2学期に突入した。
「由季葉~、一緒いこー」
「あ、ごめんねみっちーとかなりん。私ちょっと職員室に用があるから先に行っててもらえる?」
「え、呼び出し?付き合ったげよっか?」
「ううん、大丈夫。すぐ終わるから」
どちらが謝ったかは、両方だった。
夏休みという期間が私たちに考える時間を与えてくれたのか、ぎこちなくなってしまっていたお友達たちとは無事に和解。
もちろん千石くんと私の関係性も分かった
上で、ふたりは変わらず接してくれる。
「あっ、汐華さん」
職員室からの帰り道で声をかけてきたのは、隣クラスの男の子だった。
千石くんといつもつるんでいた1人で、今は懐かしい合コンにも参加していたメンバー。