踏み込んだなら、最後。




うそ、いつもどおり家を出てたよね…?

変わらず制服を着て、おなじ時間に。


まさか塾だけじゃなく学校にも行っていなかったことを知り、さすがに佳祐お兄ちゃんだけじゃなく保母さんたちも参っていた。



「ちがうっ、高校に行かないなんて言ってない!あんまりにうるさいからここ出ていくって言ったの!」



と、どこから聞いていたのか再び登場アヤナちゃん。



「出ていくって、極端にも程があるだろ。出て行ってどこで暮らすんだよ」


「彼氏のとこ」


「……彼氏にも迷惑だわ」


「そんなことないしっ!来れば?って言ってくれてるもん」


「受験生にそんなこと言ってくる男なんか、大概ろくな男じゃねーよ」


「はいそーいうとこが腹立つ~。彼女すらいない佳祐にーちゃんが言えたセリフなの?」



ちょ、ちょ、ちょ。

論点がだんだんズレてきちゃってるよ、ふたりとも。


どうして塾と学校に行っていないかをまずは解決させるべきじゃないのかな…。



< 189 / 280 >

この作品をシェア

pagetop