踏み込んだなら、最後。




箱の質感から溢れ出ている高級感。

色とりどりなゼリーの詰め合わせは、絃お姉ちゃんのイケメンな旦那さんチョイスみたいだ。



「こら、みんな!分けあって食べるんだよ?喧嘩しないでね」


「「は~いっ!」」


「わ、まって感動…!由季葉がお姉ちゃんしてる~!」



そんなあからさまに感動されると、ちょっとだけ恥ずかしい…。

これだってかつての絃お姉ちゃんや、ひまわり園を卒業していったお兄ちゃんお姉ちゃんたちの真似っこだ。



「それにしても由季葉ももう高校2年生だなんて考えられないって~」


「ふふっ。前も里帰りしてきたお姉ちゃんたちに言われたよ」


「だっよねー?とくに由季葉はみんなより小柄だったからね」



1年ちかく顔を見せに来られなかった絃お姉ちゃんは、私だけじゃなく職員たちとも似たような話を広げていた。

私からすれば姉のようだった存在がいつの間にかお母さんになっていることに驚きだ。



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