踏み込んだなら、最後。
「それにね、私たちにも繋がり……あるんだよ」
「…え?」
身体をそっと離すと、どこか自信のなさそうなシロちゃんがいた。
「ほら、繋がった」
私の手を、シロちゃんの手に重ねて、ぎゅっと握る。
それだけ。
たったそれだけのことで、繋がりってできちゃうものなんだ。
自分にだけはないって泣いてた。
くやしいって、シロちゃん泣いてた。
「……ユキちゃん、昔のこと…覚えてる?」
「昔…?」
「もしいつか、僕がきみのお父さんに会わせてあげられたら……って」
逆に私は、とっくに忘れられちゃっていると思っていた。
そんな幼い頃の約束をいつまでも本気にしていた自分のほうがおかしいのかなって、勝手に悲しくなっていた。
シロちゃんは優しいから、あのときは泣いていた私を慰めるための言葉だったのかなとも思っていたけれど。
そういえばあのときも首のうしろ、触っていなかったね。