踏み込んだなら、最後。




「あっま」


「ふふっ、いつも匂いでバレちゃうんだよね」



キッチンに覗きにくるシロちゃんは、今日も覗いてくるだけで手伝いはしない。

料理は大の苦手、
ハルくんと同じ味見係担当だ。



「シロちゃんも遠足に行けばよかったのに…」


「せっかくの機会逃してどうするんだよ」


「…?」



なんだろう今の謎な会話…。

ちなみに千石くんもお誕生日会に来てくれるそうで、みんな朝からテンションMAXだった。



「ユキちゃん、ちょっとキューケイしよーよ」


「だめ。ふたつ作らなくちゃだし、生クリームはとくに時間との勝負なの!」



と言っても、スポンジから焼くわけじゃなく。

すでに完成されているスポンジに生クリームを塗ってフルーツを飾ったりして、主にトッピングをするだけなんだけど…。



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