踏み込んだなら、最後。
電動泡立て機は逆に飛び散るからあまり使いたくなかったけど、時短としても今回ばかりは使うしかなさそうだ。
「シロちゃん!まずは一緒に掃除───えっ、ちょっ、シロちゃん?」
「ごめん、責任取る。僕がやっちゃったことだし、まずはユキちゃんの全身生クリームどうにかしなくちゃだろ。ベトベトだ」
「私のことはあとでっ」
「いやいや、僕の人生においてユキちゃんは常に最優先って知らないのかね」
「あとこっちお風呂じゃないよ…!」
まあまあ、まあまあ、なんて言いながら誘導されていく階段。
タンっと2階に到着すると。
「ひゃっ!」
ひょいっと抱えられて、スタスタ。
進路はなぜかシロちゃんの部屋がある角っこ。
「階段もそうやって運んで欲しかったな……」
「だよね、ごめん。さすがに階段は無事に運びきる安心より途中で落とすかもしれない不安のほうがでかかった。
少女マンガに出てくる190センチ近くあって目ぇキラッキラな士郎くんならしてるだろうけどね」
「…ふふ。シロちゃんの少女マンガのイメージ、ちょっと変」