踏み込んだなら、最後。
胸がくすぐられるようにうずいて、首に腕を回してぎゅうっと身体を寄せた。
正直なシロちゃんが可愛くてだいすき。
・・・・・・・。
「って、ちがう!おろして!なにしてるのシロちゃん…っ、キッチンの掃除っ」
「いいねえ、ユキちゃん素質あるわノリツッコミの。掃除はあとで僕がしておくから」
自分のベッドが生クリームで汚れちゃうことなんて、たぶんシロちゃんまったく考えてもいないんだ。
ポスッと、背中からのスプリングを押さえ込んでくる。
「だめ…って、言ってるのに…」
それは私だけに見せる顔。
シたいと思っている、男の子の顔だ。
だめ、だめ。
ここはバシッと言うの、由季葉。
「シロちゃん私、怒ってるよ…?わかってる?ケーキ間に合わなかったらどうするの、子供たち泣いちゃうよ」
「だって、髪と顔にかかってる時点で視覚的にも殺しにきてる」
「…まずは掃除して、佳祐お兄ちゃんにバレないように隠さなきゃだから」
「ここまできて隠す必要もないか。つまり僕はムラムラしてんだよ」