踏み込んだなら、最後。
そこには「すこし早いけど誕生日おめでとう」の、手書きで書かれた文字。
「っ…、」
毎年の恒例行事だったんだ。
成長していくぶん、プレゼントは実用性のあるものに変わっていって。
そんな17歳の誕生日プレゼントは、今の私には少しだけ背伸びしすぎなんじゃないのと思われてしまいそうな───純白のワンピース。
『ずっとずっと、ユキちゃんにはぼくがいちばんにプレゼントする』
幼かったそんな笑顔を、思い出す。
私たちだけの合言葉もあったよね。
『ぼくはシロ、きみはユキ。合わせて冬に、なるんだよ』
家族をやめたいって、どういうことだろう。
なにが嫌だったんだろう。
あんなにも幸せそうに笑っていたのに。
いつからシロちゃんは、私が知らない男の子になってしまったの。