踏み込んだなら、最後。
《その場所、知ってますよ俺》
《本当ですか?ぜひ教えてください…!》
《ここが住所です》
家族たちに秘密ができてしまった。
こういうものは危ないからやめなさいと、言われていたもの。
私もそこまで興味はなかったし、始める気なんて更々なかったけれど。
でも、だれも教えてくれないのなら自分で調べるしかないと思ったんだ。
《あの、ここの住所って…》
《気づきました?そうです、遊楽町とまったく同じ住所に位置しているんですよ》
《でもここが游黒街なんですよね…?》
《間違いないです。でも俺もこのくらいしか知らなくて、自分で行ってみるのがいちばんいいと思います》
あの日、初めて游黒街の名前を私に教えてくれた他校の女の子にまた聞いてみたり、インターネットで検索をかけてみたり。
としてもネット上には一般人が説明できる似たようなことばかりが散らばっていて、著しい情報は掴めなかった。
────けれど、匿名でたくさんの人間と交流できてしまうツール。
そこでとあるユーザーさんから新たな情報が教えられたのだ。