踏み込んだなら、最後。




そして私は友達の気づかいを無下にもできず、(半ば強制)参加することになった。



「ねえねえ、男子と女子がそれぞれ固まってたら意味なくない?」


「あっ、そーだよな!んじゃあ間に入って!」



うわ…、
そんな提案しなくていいのにかなりん……。


やって来たのはカラオケ。


本当に相手はB組の男の子たちで、顔は知っている程度のメンツだった。

合コンっていうよりは6人で遊んでるだけみたいな感じだ。



「由季葉~、もしかして人見知り発揮してる?」


「う、うん…」


「もー!自分から声かけに行かないと出会いは逃げちゃうよ?」


「……はい」



とくに求めてもいなかったんだけどな…。


出会いとか、彼氏とか、そういう言葉を聞いて思い出す男の子はひとりだけ。

でも私は、もう今の私は、考えないように決めていた。


ひまわり園もだんだんシロちゃんがいない生活に慣れてきて、妹や弟たちもシロちゃんの名前を呼ぶ回数が減った最近。



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