踏み込んだなら、最後。
「俺も数合わせで無理やり連れてこられて、こーいうの苦手で」
「…でも勝手に抜けたらみんな怒らないかな…」
「はは、一応は合コンだから逆に盛り上がると思います…けど」
あ…、言われてみれば。
変な噂は立てられちゃうかもだけど、進展があったと勘違いされてスムーズには抜けられそう。
「汐華さんもこういうの苦手なのかなって、あっ、勘違いだったらすみません」
私が返答に困ったのは、そこじゃなくて。
単純に千石くんは格好いいから、みっちーかかなりんのどちらかが気に入ってたらどうしようっていう心配だ。
私だけ抜け駆け、みたいに思われないかなって。
「あとはひとりで抜けるのは勇気がいるから、仲間が欲しいのもあったりして…」
「…ふふっ」
そっちがメインなんじゃないかと思って、つい笑ってしまった。
私に笑顔が浮かんだことに彼も目尻を下げて、「俺がテキトーに言うので任せてください」と言ってくる。