踏み込んだなら、最後。
「ぜんぜんオッケー!」
「え、」
「由季葉~、また報告してよー?っていうか今日の夜メールするから!」
「あ、うん…」
「真澄!お前もだぞ!つーかスカした顔してちゃっかり行動してんじゃねーよっ」
とくに必要ない心配だったようで。
マラカスやタンバリンを持って気分上々な友達たちから逃げるように、私と千石くんはカラオケを出た。
「さすがにあのノリは無理ですよね」
「私は歌もそこまで得意じゃないから…」
「あ、俺もです」
そういえば私、シロちゃん以外は初めてかもしれない。
同い歳の男の子とこうして並んで帰り道を歩くのは。
「どこか……寄っていきます?」
「えっ、あっ、…うん、そうだね」
「あっ、無理やりとかじゃなくて……、ただ俺がもう少し汐華さんと話したいっていうか…」