踏み込んだなら、最後。
家族じゃなかったら良かったのか、って聞かれると、そうでもないが答えなんだろう。
家族じゃなかったらもっと他人だった。
家族じゃなかったら、きっと出会えなかった。
シロちゃんにとって私は、なんだったんだろう。
「それにしても汐華さんは子供、好きなんですか?」
気分を変えるように違う話題。
そこまで器用そうには見えないことが、どこかホッとした。
「…私の家、たくさん兄弟がいるんだ」
「え、もしかして大家族だったりですか…?」
「…うん。そんな感じ…かな」
「いいですね。たしかに優しいお姉ちゃんって感じがします」
もうすぐわかるよ。
私の家が大家族な意味も、たくさんの兄弟たちに囲まれている理由も。
────ほら、見えてきた。
「…ここ……」
「…ここが私のお家、です」