踏み込んだなら、最後。
傍目八目




シロちゃん、元気ですか。


ちゃんとご飯は食べていますか?
体調を崩したりしていませんか?

ひまわり園のみんなもいつもどおり賑やかに過ごしているよ。


私もなんとかやっています───、


宛先の住所を書けない手紙には、薄い内容ばかりを書いて今日も自室の引き出しのなかにしまった。



「「1位抜けおめでとーーっ!!」」



パァンと鳴ったクラッカーが見えた。

もちろん学校だし、朝だし、そんなこと実際できないとは分かっているけれど、揃った友達ふたりの声はクラッカーより賑やかなもの。



「……えっ?」


「いや~、まさか真澄くんをゲットするとはねえ~!あのなかでいちばん攻略が難しそうだったのに…!」


「ほんとほんと!でもお似合いな感じするよね?みっちー」


「するする!ちなみにあたしらは今回は収穫ナシでしたぁ~!」



さっそく週明けの月曜日、教室に入った瞬間にみっちーとかなりんに囲まれる朝。



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