踏み込んだなら、最後。
「あの…、私と千石くんは付き合ってないよ…?」
「「はっ!!?」」
「うん、勘違いしてるところ申し訳ないんだけど…」
「いやいや!一緒に抜け出しておいてそれはないって…!」
昨夜もいろいろ聞かれて、グループチャットは大暴れだった。
これ以上話していても埒(らち)があかないと思って、寝落ちしたふりをしちゃったことは秘密だ。
「だから本当に付き合ってなくて…」
「今はねー?ふふふっ、由季葉にもとうとう訪れました春っ!!」
「いえーいっ!あたしら恋のキューピッド!!」
仲睦まじくハイタッチなんかをしているみっちーとかなりんをすり抜けて、なんとか席に座った。
そんなこと言われると余計に緊張しちゃうよ…。
今日から一緒に帰る約束をしている。
「ユキおねーちゃんおかえりー!」
「ただいま」
「あっ!知らないおにーさん!ユキおねーちゃんのお友達?」
「…こんにちは」