踏み込んだなら、最後。




『…シロちゃんのお弁当が…なくなっちゃう』


『そんなこと気にしてたのユキちゃん。ユキちゃんと一緒に食べたほうが美味しくなるのに』



私はそこで大泣きしちゃって。

フルーツは私が好きなパイナップルとさくらんぼばかりをくれて、自分はそこまで口にしていなかった。


私と食べられることに心から喜んでくれているのか、ふにゃりと笑った顔。


そんなシロちゃんの優しさに、私は泣いたんだ。



「───汐華さん…?」


「っ、あ、…明日から…作ってくるね」


「…ありがとうございます」



重ねてるわけじゃないよ。

だってぜんぜん重ならないから。


シロちゃんと千石くんは、ぜんぜん違うよ。



「ねえ……由季葉」



少し前までは私と千石くんを見るたびにニヤニヤしていた友達たちが、なぜか複雑そうな目を向けてきたある日のこと。

そんなに深刻そうな顔をしてどうしたんだろう。



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