踏み込んだなら、最後。
「正直、正直だよ?真澄くん…、やめたほうがいいかも」
「…え…?」
なにを急に。
手のひらをひっくり返すような、そんなことするふたりじゃなかったはずなのに。
みっちーもかなりんも、どうしちゃったの。
「この前かなりんと一緒にショッピングしてたとき……、街で真澄くんをたまたま見かけてさ」
「なんていうかイメージが少し違ったっていうか…、二重人格なんじゃないかって思うくらい……あたしらが知ってる真澄くんじゃなかったの」
大切な友達を疑いたくはなかったけれど、これに関しては疑ってしまった。
「どうしてそんなこと言うの。千石くんは……すごく優しい人だよ」
「あたしらもそう思いたいよ…?でもさ、ほんとぜんぜん違くて、ちょっと怖かったんだよね」
もう聞きたくない。
これ以上みっちーとかなりんを私にとって「嫌な人」にしたくないし、ふたりの口から彼の悪口を聞くのも嫌だ。
みっちーとかなりんからすれば親切心からの忠告なのかもしれないけれど、今の私にとっては悪口でしかないよ。