踏み込んだなら、最後。
いつか私とシロちゃんも、絃お姉ちゃんと佳祐お兄ちゃんみたいな関係性になるのかな。
幼なじみとか親友というよりは、家族や兄弟という呼び方のほうがしっくりきて。
大きくなって大人になると、またそこに信頼関係が強く置かれる。
………やだよ、そんなの。
「由季葉、私いったん帰るけど……なにかあったら遠慮しないで言うんだよ?」
「……うん。ありがとう…、いとおねえちゃん…」
汗ばんだ私の髪をやさしく撫でて、絃お姉ちゃんは部屋を出ていった。
あとは眠るだけ。
弱った体力を回復させるには食べて寝ることがいちばん。
保母さんたちも誰かが体調を崩すといつもそう言っていて、とりあえず私は食欲を出させるためにもまずは寝るしかない。
『ユキちゃんっ、ユキちゃんが死んじゃう……!!ぼく保育園いかないっ、ずっとずっとユキちゃんといる…っ』
『大丈夫だよシロ…!ユキちゃん死なないし、いなくならないから!ねっ、いい子だから保育園いこ?』
『やぁぁぁぁだぁぁぁぁぁっ』
夢を見た。
夢というより、思い出の幻覚のような。