レンタル姫 ~国のために毎夜の夜伽を命じられた踊り子姫は敵国の皇帝に溺愛される~
「ありがとうございます……」
まさか自分がこんな扱いをしてもらえるとは思いもよらず、ノツィーリアは顔を振りむかせて礼を口にした。
しかし呑気に言葉を交わしている状況ではないからか、ルジェレクス皇帝はノツィーリアに視線を返してこず、鋭い目付きで状況を見すえていた。
皇帝の視線の先で、魔導師がスキップするような足取りで父王の目の前まで歩みよる。
「金に目がくらんでる人の御しやすさったらないよね~。王様、怪しい魔導師を簡単に王城の奥まで招きいれた自分の無能さをせいぜい悔やみなよ。じゃあね~」
「貴様……! この私を愚弄するなぞ許すわけには……」
父王の叫び声は、魔導師が指を打ち鳴らした瞬間に聞こえなくなった。
「――きゃっ!?」
次の瞬間、ノツィーリアは広いベッドの上に落とされていた。突如として尻餅を突かされる形となり、予想外の姿勢の変化に頭が混乱する。足を投げだす姿勢となったせいでサンダルが脱げてシーツの上に転がった。
ノツィーリアの傍らではルジェレクス皇帝があぐらを掻いていた。ノツィーリアたちがいるベッドから少し離れた床の上には魔導師とユフィリアンが降り立っていた。
なにが起きたかわからず、素早く辺りに視線を巡らせる。
「ここは……?」
「余の寝室だ」
「えっ!?」
一瞬前までレメユニール王国の王城にいたというのに――。信じがたい出来事にノツィーリアは思わず声を張りあげてしまった。
「ではここはリゼレスナ帝国ということですか!?」
「ああ」
まさか自分がこんな扱いをしてもらえるとは思いもよらず、ノツィーリアは顔を振りむかせて礼を口にした。
しかし呑気に言葉を交わしている状況ではないからか、ルジェレクス皇帝はノツィーリアに視線を返してこず、鋭い目付きで状況を見すえていた。
皇帝の視線の先で、魔導師がスキップするような足取りで父王の目の前まで歩みよる。
「金に目がくらんでる人の御しやすさったらないよね~。王様、怪しい魔導師を簡単に王城の奥まで招きいれた自分の無能さをせいぜい悔やみなよ。じゃあね~」
「貴様……! この私を愚弄するなぞ許すわけには……」
父王の叫び声は、魔導師が指を打ち鳴らした瞬間に聞こえなくなった。
「――きゃっ!?」
次の瞬間、ノツィーリアは広いベッドの上に落とされていた。突如として尻餅を突かされる形となり、予想外の姿勢の変化に頭が混乱する。足を投げだす姿勢となったせいでサンダルが脱げてシーツの上に転がった。
ノツィーリアの傍らではルジェレクス皇帝があぐらを掻いていた。ノツィーリアたちがいるベッドから少し離れた床の上には魔導師とユフィリアンが降り立っていた。
なにが起きたかわからず、素早く辺りに視線を巡らせる。
「ここは……?」
「余の寝室だ」
「えっ!?」
一瞬前までレメユニール王国の王城にいたというのに――。信じがたい出来事にノツィーリアは思わず声を張りあげてしまった。
「ではここはリゼレスナ帝国ということですか!?」
「ああ」