Mechanical man
4話
あ、、、あれ?反応が、、、ない?!う、うそだ、、、この赤のボタンを押せば、反応があるはず、、、。佐太郎は、目の前で起きた出来事に困惑した。バグが起こったみたいで、手を伸ばせば届く距離にいる親子は、フリーズして動かない。「実験して成功したはずだったのに…!」昔買っていた犬まで機械化され、AIの命令にしか従わなくなり、なんとか助けてやりたいと、自分の服についていたボタンを手当り次第押したものだった。それで何故か犬は開放され、「AIから思考を開放する方法」を理解したはずなのに。どうしてうまく行かなかったのだろう…なんとか助けたいそう思っていると目の前のラボの扉が開いた。それは、穂美さんだった。同じラボの上級職員で僕ともよく話す仲である。そんな彼女がこう話しかけてきた。「佐太郎くん?何してるの?、、、そんな貧乏人を助けようっていう気持ちがあるってことは、、、人間の心があるのね。今まで私達を欺き仲間だと装ったのね。君は私達の敵(ターゲット)だわ。佐太郎くんは優秀だったけど、処刑されるか、ビンボー村に送還されるか、一生このセカイで奴隷として働き続けることになると思うわ。もう二度と君と会うことはないわね。さようなら五老星佐太郎。」そして彼女は去っていった。そして、僕、五老星佐太郎は決意した。もうこうなった以上、この親子を助けて仲間を増やし、このラボをぶっ壊すしかないと。なぜなら、このラボさえ壊せば、機械人間が人間の感情を取り戻し、元の平等な世界に戻ることを彼は知っていたからだ。佐太郎は、まず親子を自由にするため、どのボタンを押すのかを必死に考えていた。(どれが正解なんだ...ボタンがありすぎて、どのボタンが正解かわからないよ...。)そして、やっとたどり着いたボタン...それは、「運命のボタン」と言われる白色のボタンである。(よし...!これで、この親子を自由にできる...!)そして、親子を自由にすることに成功した。ただここまでで、穂美さんに見つかってから、4時間もの時が経ってしまった。穂美さんはすでに上層部の機械人間にこのことを伝えているはずだ。一方、親子はめちゃくちゃ感謝してきた。そして、親子は僕に力を貸すことを決意した。この親子は常人ではなく、特に裕太郎(子)は、IQが400でめちゃくちゃ天才である。そして、強力な仲間を手に入れた僕は、ラボ撲滅のために一歩踏み出したのである。裕太郎は普通に学校に通っていれば当たり前のように首席で卒業できるほどの秀才で、間一髪で機械人間になる前に救い出せて良かったと思った。しかし、穂美さんにこの頭の良さが渡らなくて安心している暇はない。一刻も早く貧乏人たちを説得しなくては。しかし、どうやったら説得することができるのだろうか。佐太郎は、必死に考えた。そして思いついたのが、裕太郎達を使って説得することしか頭に浮かんだ。そのことを裕太郎達に伝えると、快くOKしてくれた。親子もそうなることが想像ついていたらしく、もうすでに説得する方法を考えてくれていた。どんなものかを知りたくて聞いたが、教えてはくれなかった。超機密情報(トップシークレット)らしい。そして、まず最初に貧乏人たちがたくさん住んでいる、僕の故郷ビンボー村に行くことになった。だが、このラボから抜け出すには、このラボの頑丈な監視(攻撃)システムを突破しなければならないと思うと、気が滅入る。なぜなら、このシステムを突破した奴は、誰一人いなくて、みんな死刑か、奴隷になっている。それは、この僕が一番よく知っている。どうしたものか、、、と思っていると、天才くん裕太郎は、一つの案をだした。僕も確かにそれなら行けるかもしれないと思ったので、その計画を実行することにした。この計画にはプランA〜Cがある。命を狙われないうちに案を練っておいた。どういう計画かは、超機密情報(トップシークレット)だから、ここには書かないが。順調に進んでいき、ラスト一部屋になった。扉を開け部屋に入った瞬間、部屋のドアが閉まり、機械人間が大量に現れた。その中には穂美さんもいた。そして彼女は「五老星佐太郎達よ、よくここまで進んだわね。二度と会うことは無いと思っていたから内心びっくりしたわ。そこは褒めてあげるわ。ここまで来たのはあなた達が初めてだから。でもね、あなた達の命(ミッション)は、これで終わりよ。さよなら。」と言った。いよいよ、僕らの戦争が始まる。まず、超天才少年裕太郎が考えた1つ目のプラン、Aで進行する。しかし、プランAの作戦は、穂美さんに見破られてしまった。彼女も上層部の機械人間だ。流石にそこまでチョロくなかった。続いてプランBの作戦、この作戦は見破られにくいと思う。そのあと、ん?と思った。なぜなら、急に機械人間達が集まりだし、何かを話したあと、道を開けたのだ。おっしゃ!これで外に出れる!!と思い、僕が歩き出した瞬間裕太郎が僕の足を掴んだ。そして目で行くなと言われた。なぜだろうと思いながら、素直に従った。その後、僕らに裕太郎は俺に従うんだ!という合図をおくった。そして、プランCを決行。やっと、機械人間(奴ら)の攻撃から逃れることができた。僕らは安堵していた。しかし、それも束の間だった。なんと機械人間(奴ら)が追いかけてきたのだ。僕らは焦った。そして僕らは安心していたら不意を突かれるなと思った。安堵なんて出来ない。一刻も早くビンボー村に行かなければならないなと思っていたら、裕太郎が「ビンボー村に行くな!ビンボー村に行くのは危険だ!奴らの思うつぼになる!まずは、古井町に行く!」と言った。そして僕は心の中でこいつは何を言ってんだと思った。しかし。IQがそれほどでもない人間の考えよりも、IQ400の裕太郎のほうが当たってるんだろう。今までも裕太郎の作戦で機械人間(奴ら)を巻いたのだから。