君の一番になりたいんだ
-10年前-
「隣の家の大宮さんよ。ほら、
ゆん、なあちゃん挨拶して」
「こんにちは」
「こ・・んにちわ」
見たことのない町。
見たころのない人。
10年前、あたしとお姉ちゃんとママとパパで
この知らない町に引越してきて、
この知らないおばちゃんに挨拶した。
「あら、可愛い子ねー。
こんにちは。こっちは息子の
雅人です。まーくんも挨拶して!」
「こんにちは・・」
知らないおばさんの後ろから
おずぞずと出てきた男の子を見た
瞬間、ほっぺたがみるみる赤くなって
いったのを今でも覚えてる。
この時、あたしは生まれて初めて恋に
落ちた。
雅人をみた瞬間、あたしはあなたしか
目でおいかけられなくなった。