現れたのは聖竜様と予想外の溺愛でした
「リア・クオン! 汝から聖女の地位を剥奪する!」

書き物机に置かれたインク壺が倒れんばかりの慌ただしさで引き立てられた謁見の間。
手習いに使っていた用紙を掴んだままの手が、インクでべっとり汚れていることを気にかける間もない宣告だった。

──やっぱり、か。

久遠莉亜(くおんりあ)は静かに目を閉じた。
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