冷たい城の番人
「え〜っいいんですかあ?」
「私たち初めて来たので心強いです!」
胡散臭いからスルーしたかったのに、あろうことか、わたし以外の4人はその男性たちに食いついてしまった。
さっそく彼らについて歩き出してしまった友達の背中を呆然と見つめる。
『この人たち、L区の人じゃないと思うよ』なんて言えるわけないし。
『お城の庭園に行くんじゃなかったの?』と聞いても、たぶん場を白けさせちゃうよね……。
「スイ〜、なにしてるの! 早く早く!」
振り向いたリサちゃんが手招きをするので、仕方なくみんなの元へ急ぐ。
するとさっそく、男性のひとりが隣に並んできた。
「名前、スイちゃんっていうの?」
そう尋ねられ、はい、と頷いたのに。
「この子、本名は彗星っていうんですよ!」
と、リサちゃんが余計なことを言う。