冷たい城の番人
◆
◇
「今日、スイも行くよねっ?」
弾んだ声に、落ちかけていた意識がゆっくりと引き戻されていく。
「ん……今日が、なぁに……?」
重い瞼を開ければ、まだなんとなく霞んだ視界に友達の顔が大きく映り込んだ。
どうやら、お昼休みの最中にうたた寝をしてしまっていたらしい。
「もー、人と話してるときくらいちゃんと起きててよ」
「ごめんごめん。それで今日どこに行くの?」
「だからあ、L区の庭園! この前ミクたちに一緒に行こうって誘われたじゃん」
「……ああ、そういえば」
五人グループでお弁当を食べたときに、そんな話が出たような気がする。
L区の庭園とは、L区のシンボルとされている城の敷地にある庭園のことで、それはそれは神秘的で素敵な場所なのだそう。
普段は関係者以外の立ち入りが固く禁じられているけれど、年に一度だけ開放される日があると聞いたことがあった。
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「今日、スイも行くよねっ?」
弾んだ声に、落ちかけていた意識がゆっくりと引き戻されていく。
「ん……今日が、なぁに……?」
重い瞼を開ければ、まだなんとなく霞んだ視界に友達の顔が大きく映り込んだ。
どうやら、お昼休みの最中にうたた寝をしてしまっていたらしい。
「もー、人と話してるときくらいちゃんと起きててよ」
「ごめんごめん。それで今日どこに行くの?」
「だからあ、L区の庭園! この前ミクたちに一緒に行こうって誘われたじゃん」
「……ああ、そういえば」
五人グループでお弁当を食べたときに、そんな話が出たような気がする。
L区の庭園とは、L区のシンボルとされている城の敷地にある庭園のことで、それはそれは神秘的で素敵な場所なのだそう。
普段は関係者以外の立ち入りが固く禁じられているけれど、年に一度だけ開放される日があると聞いたことがあった。