冷たい城の番人
掟破りの少女
◆
◇
わたしの日常はいつもぼんやりとしている。
住宅街の奥にそびえるL区の時計塔のように、どこか現実味を失っていて。
友達と仲良く話していても、美味しいご飯を食べていても、面白い動画を見ていても
楽しいと確かに感じるのに、“生きている”という感覚がない。
それならいっそ、
生きていると実感できるくらいの
痛みがほしい……───
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わたしの日常はいつもぼんやりとしている。
住宅街の奥にそびえるL区の時計塔のように、どこか現実味を失っていて。
友達と仲良く話していても、美味しいご飯を食べていても、面白い動画を見ていても
楽しいと確かに感じるのに、“生きている”という感覚がない。
それならいっそ、
生きていると実感できるくらいの
痛みがほしい……───