スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。
***
ランチタイムからカフェタイムに移行された十四時半頃。
客層はガラリと変わり、富裕層のマダムたちが来店される時間だ。
「こんにちは、百々芭ちゃん」
「佐々木さん、こんにちは。いらっしゃいませ」
カフェタイムには、必ずやって来る佐々木郁子さん。七十代くらいで上品な方だ。だから密かに憧れている。
「今日は玉露をいただこうかしら。抹茶のチーズケーキのセットにしていただける?」
「はい、大丈夫です」
「ありがとう、じゃあよろしくお願いします」
私は、厨房に入ると菜摘に抹茶チーズケーキを頼んでトレーに急須に湯冷ましに湯のみと砂時計を置いて急須に茶葉を入れて湯冷ましに湯を注いだタイミングでチーズケーキがやってきたのでトレーに一緒に乗せると佐々木さんの元に持って行った。
「お待たせいたしました。玉露と抹茶チーズケーキです」
「あぁ、ありがとう」
「ごゆっくりお過ごしください」
そう言って厨房に入ろうとした時、来店を知らせる鈴が鳴って一人男性が入ってきた。
「こんにちわ、早速来てしまいました」
この人、どこかで……でもこんな、顔面偏差値な人知り合いいたっけ?