スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。



 頭の中がハテナマークだらけになったけど、よく見ると昨日の男性だと気づく。


「す、すみません! 雰囲気が違って気づくのが遅くなりました」

「いや。昨日は制服を着たままだったので当然です」


 男性は爽やかに微笑み、声を出して笑った。笑った顔もイケメン……と思いながら私は席に案内する。
 テーブル席は埋まっていたのでカウンター席に案内する。


「メニュー表とお冷置いておきますね」

「あ、ありがとうございます」


 男性はメニュー表をゆっくり見初めて「あの」と声をかけられた。


「はい、お決まりですか?」

「そうじゃないんですけど、この、飲み比べセットは今の時間もやってますか?」

「はい。もちろんです。飲み比べセット、大丈夫です。こちらですと、おまかせ和菓子になりますけど大丈夫でしょうか?」

「よろしくお願いします」



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