スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。
確認をして「お待ちください」と言うと、カウンターに入り飲み比べセットを準備を始める。
飲み比べは、七種類の“煎茶”と“上煎茶”、五種類の“抹茶”に加え、日本茶の中でも最上級ランクに位置づけられる“玉露”の十三種類を順番に試してもらうセットになる。
なので専用のトレーに茶葉と抹茶を入れた器を乗せて厨房からそのまま出した。
「お待たせしました。まずは茶葉の香りを楽しんでいただきたいと思います」
「すごいですね、楽しみだ」
「ありがとうございます。では、茶葉の方からいきますね」
目の前で煎茶の茶葉の香りを楽しんでもらってから好きだなと思う香りを三種類選んでもらうと私が男性が選んだ煎茶を淹れた。
「こちらから二番、四番、五番でございます」
「あ……香りが違いますね、なんだろう茶葉だけの時と淹れてくださったものと」
「そうですね。お茶によって、お湯の温度や抽出時間が違っておりまして香りの仕方も変わるんです。こちらの煎茶は、八十度から九十度で淹れてます」