スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。




「あら、百々芭。来たなら手伝ってよ、本当に百々芭は気が利かないんだからー」

「すいませんね、気が利かなくて。いいじゃない、帰ってきたんだから」

「そんなんじゃ、結婚できないわよーやっぱり、帰って花嫁修行したほうがいいんじゃない」


 また、始まった。
 私は気が利かないから始まる、さっきの話の続きだ。

 だけどさっきと違うのはお兄ちゃんがいたことだ。きっと助けてくれるはず!


「母さん、百々芭には百々芭の考えがあるんだよ。結婚だけが全てじゃないと思うし、今の時代、結婚しなくちゃいけないなんて時代遅れだと思う。それに強制してこっちに帰って結婚しても、幸せにはなれないと思うよ」

「そんなこと……でもそんなことを言っていたら遅れちゃうじゃない」

「遅れるとか遅れないとかそう言う問題じゃなくてさ、なんて言えばいいのかな……まぁ、もう成人してる大人なんだから何しててもいいでしょ。それに、そんなことばかりだから百々芭は帰ってこないんだよ」




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