スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。


「……どうして婚約者になる必要が?」

「はい。三日後、豪華客船内のレストランを開放をするんですがそれは乗船員を労うパーティーのようなモノでもあります」

「そうなんですね?」

「はい。私も、招待を受けております。階級が下なら同伴者は強制されないのですけど、一等航海士なので、同伴者が必要なのです」


 身分が上だと、そういうことがあるのね。大変だ……ってパーティーかぁ、船内綺麗だって聞いたし見てみたい……!


「失礼なお願いだと承知の上です……お願いできませんか? お願いします」

「あ……そう、ですね」

 
 豪華客船の話聞いてから頭の中は『豪華な料理』『ラグジュアリーな船内』がグルグル回っている。だが、そのためには『婚約者』にならないと手には届かない。


「分かりました、限定の婚約者なります」


 私が了承すれば篠原さんは喜んでくれて、帰ったら一度二人で会うことに決まった。
 その後、お風呂に入って限定婚約者のことを考えてて結婚催促された話なんて頭から綺麗さっぱり居なくなって翌日に帰宅をした。

 ……両親は、不満そうだったけど。






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