スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。



 運ばれてくる料理はどれもキラキラで、あっという間に食べ終わってしまった。だから、展望台に行こうということになってお会計をと篠原さんがウェイターさんに声をかけたので急いでお財布を出そうとしたのだが、もう支払いは完了してしまっていた。


「ごちそうして頂いてしまって」

「こちらから誘ったし、当然でしょ。それにこれからのこともあるしね」


 あぁ、期間限定の婚約者のことかな。
 それにしても、隣に立つとこの人背が高いなぁ……何センチあるんだろう。
 展望台に到着すると街全体が見渡せて、ホテルや建物の灯りがキラキラ輝いていて綺麗だった。


「そうだ。明日って用事はある?」

「明日、ですか? 明日は、十五時までの出勤なのでそれ以降なら」

「そうか。明日、買い物に行こう。明後日のパーティーで着る服を見に行こう」


 確かに豪華客船だし、ドレスコード必須だって言っていた気がする。私は持ってないし、一緒に見に行けばどんな感じのがいいのか参考になりそう……彼とのバランスもあるし。



「はい、よろしくお願いします」

「うん。こちらこそ」


 その後、夜景を堪能して駅まで送ってもらい帰宅をした。




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