スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。


  ***


「お疲れ様でした〜じゃあ上がるね」

「はい、お疲れ様ですー!」


羽衣ちゃんに挨拶をして、着てきた私服に着替える。今日は、篠原さんと出かけるしラフではなくお洒落なブラウスにチュール生地のフレアスカート。それに着替えてから、パンプスに履き替えた。いつもなら、スニーカーだけど久しぶりのパンプスだ。


「スカートはスースーする……久しぶりすぎて、くすぐったいなぁ」


 そんな独り言を言いながら、裏口から出てスマホを確認すればタイミングよく篠原さんから電話がかかってきた。


「もしもし、篠原です。今、どちらにいらっしゃいますか?」

「お店を今出たとこです。急いで向かいます!」

「急がなくて大丈夫だから、走らないで。それにお店の近くにいるんだ。迎えに行こうと思って」


 近く? 待ち合わせ場所は駅前だったはず。
 近くに用事でもあったのかな……


「あの、篠原さんはどこに?」

「後ろ見て」



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