スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。
「お待たせ致しました。ほうじ茶チーズケーキと深蒸し煎茶セットでございます」
トレーを置いて、初めてだと言われたので煎茶の説明をする。
「お湯をこちらで入れさせていただきますね」
湯冷しから急須にお湯を入れると、急須の蓋をする。そして砂時計を逆さまにしてセットした。
「ありがとうございます……あの、なんでお湯冷ますんですか? みなさん、ポットでいれてますよね?」
「一煎目は、お湯の温度が70度になっていて冷ますことで甘く旨みが深い味わいになります。ポットで注ぐのは二煎目、三煎目です」
「へぇ……そうなんだ」
「はい。では、湯呑みに淹れますね」
砂時計が全て落ちたのを確認して、急須の蓋にある穴が注ぎ口にあるか確認をして湯呑みに淹れた。