スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。



「……うん、似合うな。これにしよう」


 四着ほど着て選んだのは、ラベンダー色のロングドレス。細かなラメがきらめく薄手のジャージー素材が現代的なデザインで袖とすそに入ったギャザーが全体のアクセントになっている……ぜったい、高い!!


「かしこまりました」


 篠原さんは、同系色のヒールやクラッチバッグに三連になっているフラワーイヤリング。コロンとしていて、不格好な形のお花が愛らしいモノを選びそれを購入してしまった。

 その後、知らない間にお礼だと言って買ってくださった。


「ありがとうございました……服まで買ってくださって」

「気にしないでいいよ。明日は付き合ってもらうんだから」

「ありがとうございます」

「今から何か食べる? まだ、十七時半か……」


 合流してここに来た時は十五時半だったし、買い物も二時間ほどで終わってしまった。普通なら、ここで帰りましょうってなるよね。


「か、帰りますか……?」

「……帰りたいですか? 坂本さん」

「えっと、その……お疲れかなと思いまして」

「明日もあるし、今日は送るよ」


そう言われて私が頷けば、ショッピングモールを後にした。
 そうして、私のマンションまで送っていただいて明日の確認をサラッと話をしてマンションへと入った。











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