スパダリ航海士は契約妻を一途に溺愛する。
エレベーターに乗ると絨毯が敷き詰められていてふわふわしており、ヒールでも歩きやすい。五階に到着して降りれば目の前には曲線が美しい階段があり、吹き抜けになっている。
見渡すと、全体がホールとなっていてステージやレストランやバーなどが併設されているようだった。
「咲翔さん! すごいですっ」
「喜んでもらえて良かった」
「はい! ここが咲翔さんのお仕事の場所なんですね!」
こんな素敵な場所で働いているなんて、凄すぎる!!
「俺はこの中では働いてないよ。ここは、ACやレストランで働く人がいる場所だよ」
「えーしー?」
「アテンダント・クルーの略なんだけど、船内の客室や売店、接客サービスなど数多くの業務を担う船内のスタッフのことだよ」
「あ、キャビンアテンダントみたいな……」
「そうだよ。……あ、百々芭ちゃん。挨拶に行ってもいいかい?」
私は頷けば、彼は私を連れてある男性の場所へと向かって歩き出した。